こちらの記事では ずっと真夜中でいいのに。さんが歌う『正しくなれない』の歌詞について考察していきます。
「霧が毒を見た」というフレーズは3回出てくる
突然ですが皆さんは『正しくなれない』という曲を聴いたことがありますか?
こちらの曲は実写化映画で話題になった『約束のネバーランド』(以後「約ネバ」と省略させていただきます)の主題歌となっており、CMでも流れていましたし、結構耳に残りやすいメロディーなので曲全体やアーティストを知らなくてもサビを聴いただけで「あ、この曲か」と思う方が多いかもしれません。
今回なぜ『正しくなれない』という曲をテーマにしたかというと、何十回何百回と聴いても公式の歌詞と実際に歌われている歌詞が一致しない部分があり、そこがずっと引っ掛かっていたので歌詞考察という形で分析をしていくことにしました。
まず今回取り上げるのは、サビに出てくる「霧が毒を見た」という部分の歌詞です。
こちらのワード、実は曲中に3回出てきます。
1回目は冒頭のサビ、2回目は1番のサビ、そして最後の大サビで3回目です。
繰り返し同じ言葉やフレーズが使われるということは、どんな曲であれ作者が何か伝えたいことだったり作品に対するキーワードだったりすることが多いので、それくらい重要なワードだと私は思っています。
ここで、3回じゃなくない?と思われた方は鋭いです。
ラスサビ(3回目)だけ、公式の歌詞には「君が僕を見た」と記載されていますね。
しかし実は、ここ3回目も1回目2回目と同様「霧が毒を見た」と歌われているのです。
実際に歌われている歌詞が異なっていることを確信したのは、THE FIRST TAKEの動画でボーカルACAね さんの唇の動きを読唇術のように見たときです。
霧の ”り” といったラ行の言葉は唇を閉じなくても発音ができますが、君の ”み” のようにマ行は絶対に唇を閉じないと発音ができない言葉となっています。
(同様に毒の”ど”は唇を閉じなくても発音できますが、僕の”ぼ”といったバ行は唇を閉じないと発音できません。)
ACAねさんは 公式歌詞の「君が僕を見た」という部分で完全に ”み” を ”り” 、”ぼ” を ”ど” と発音しています。
仮説
そこで私が立てた仮説は、「君が僕を見た」と書いて「霧が毒を見た」と読む説です。
「霧=君」「毒=僕」という風に名詞に人称を当てはめることで、ストレートに表現をするのではなく、比喩を利用して意味や語呂をかけるように歌詞を作成されたのではないかと考えられます。
ただ、答えを知っているのは曲を作ったACAね さんくらいだと思うので、私はこれが正解だと断言することはできません。
もしかしたら、ライブとかでは遊び心で「君が僕を見た」って歌うかもしれませんね。(ACAねさん次第なので信用しないでください)
多分カラオケでは「君が僕を見た」と表示されるので、それの通りに「君が僕を見た」と歌っても、「霧が毒を見た」と歌ってもどちらも正解だと思います。
曲の世界観と約ネバの世界観の類似性
初めてこの曲を聴いたとき、私には「霧が毒を見た」という言葉の意味が正直、全く理解できませんでした。
霧というのは空気中にある水蒸気が水滴になって浮遊する現象です。
はっきりとした姿や形がない現象を主語にし、後ろに「見た」という動詞を持ってくる文章に対してどう感じるかを大雑把に表現すると、「霧には目がないから見るっておかしいじゃん」です。
これはなかなか高度な表現方法ですし、読み手も理解するのに苦労すると思います。
こういう時はただ歌詞とにらめっこをしても何かが見えてくるわけではないので、アニメ版の約ネバを見てもう一度この歌詞について考えてみることにしました。(HuluやNETFLIXなどの動画配信サービスで見返すことが可能です)
また、「正しくなれない」という言葉も作品の台詞に出てきていたので、かなり忠実に作られた歌だということもわかりました。
Aメロの「僕ら育っていくみたい 愛されるみたい」という部分からもエマ、ノーマン、レン達が孤児院で生活している情景が浮んできそうです。
まとめ
これは本当に高度な比喩ですし真似したくても難しいと思うので、ACAねさんは結構高いIQの持ち主なのでは?と思いましたね。
ずっと真夜中でいいのに。さんの代表曲の一つで「秒針を噛む」もそうですが、あれだけ難しい曲を作り歌うってすごい才能です。
今回取り上げた『正しくなれない』は、約ネバのストーリーに沿った内容になっていると書きましたが、
だからと言って明確に約ネバとリンクするような表現はなく、ずっと真夜中でいいのに。さんのMVもオリジナルのアニメーションが採用されていることから、『正しくなれない』という曲を単体で聴いても楽しめるようになっていますので、まだ知らない方でこのサイトを読んで興味が沸いた方がいましたら是非一度聴かれてみてはいかがでしょうか。
もし、考察大好きで他に考えられるご意見などございましたらコメントお待ちしております。
また、サイト改善のためのご意見についても受け付けております。お問い合わせにてご連絡をいただけますと幸いです。
ずっと真夜中でいいのに。プロフィール
ジャンル J-POP
活動期間 2018年~
レーベル EMI Records
事務所 ワタナベエンターテインメント
共同作業者
ぬゆり(作曲家・編曲家)
100回嘔吐(編曲家・ベーシスト)
Waboku(映像作家)
sakiyama(映像作家)
革蝉(映像作家) ほか
メンバー ACAね(ボーカル・ギター)
動画投稿サイトYouTubeでの音楽配信やライブを中心に活動。通称は「ずとまよ」。
2018年6月4日、動画投稿サイトYouTubeへ「秒針を噛む」のミュージックビデオを投稿し活動開始。
新人ながら動画は驚異的な伸びを見せ、およそ1週間で20万再生を記録。
リスナーによるファンアート、カバー動画の拡散などでさらなる伸びを見せ、翌年1月時点で1300万回再生を突破した。実力派揃いの今一番注目すべき音楽ユニットである。
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